フィリピンと聞いて、何を思い浮かべますか?
青い海、南国のリゾート、フルーツ、そしてマンツーマンの英語留学。
フィリピン留学を検討している方の中には、フィリピンと「コーヒー」を結びつける人は、まだそれほど多くないかもしれません。
でも実は、フィリピンはコーヒーの生産国。
しかも、世界的にも珍しく、Arabica(アラビカ)、Robusta(ロブスタ)、Liberica(リベリカ)、Excelsa(エクセルサ)の4種類が商業的に生産されている国なんです。
さらに、フィリピンには「Kapeng Barako(カペン・バラコ)」と呼ばれる、この国ならではのコーヒーもあります。
今回は、意外と知られていないフィリピンのコーヒー文化についてご紹介します。
前回のカフェ好きの方向けのコラム記事はこちら!
フィリピンのコーヒー文化って知ってる?
フィリピンでは、コーヒーは特別な飲み物というより、日常の中にある身近な存在です。
朝の一杯として飲んだり、家族や友人と一緒に楽しんだり、ゆっくり過ごす時間のお供にしたり。
コーヒーは、フィリピンの暮らしの中にも自然に溶け込んでいます。
そして最近では、ローカルのコーヒーショップだけではなく、スペシャルティコーヒーを扱うカフェなども広がっています。
フィリピンで育ったコーヒー豆を使い、その産地や品種、焙煎、抽出方法にこだわって提供するお店もあります。
「フィリピンでコーヒー?」と思っていた方こそ、実際に飲んでみると新しい発見があるかもしれません。
実は長い歴史がある!フィリピンとコーヒー
フィリピンでコーヒーが栽培されるようになった歴史は、1700年代までさかのぼるとされています。
フィリピン・コーヒー・ボードによると、コーヒーがフィリピンに伝わった経緯には諸説ありますが、18世紀にはコーヒーの栽培が始まっていたと考えられています。
その後、スペイン統治時代にはコーヒー栽培が広がり、19世紀にはバタンガスを中心にコーヒー産業が発展しました。
1850年代にはバタンガス産のコーヒーがアメリカやオーストラリアへ輸出され、さらにスエズ運河の開通によってヨーロッパにも輸出されるようになりました。
そして1880年代には、フィリピンは世界でも有数のコーヒー輸出国になったとされています。
ところが、その後コーヒーの病害や害虫の被害が広がり、フィリピンのコーヒー産業は大きな打撃を受けることになります。
一度は衰退したフィリピンのコーヒー産業ですが、その後も生産者や政府、コーヒー関係者による取り組みが続き、現在では「フィリピン産コーヒー」の品質を高めようという動きが広がっています。
こうして見ると、フィリピンとコーヒーには、実は長い歴史があることが分かります。
フィリピンでは4種類のコーヒーが作られている
フィリピンコーヒーの面白いところのひとつが、4種類のコーヒーが生産されていること。
それぞれ特徴が異なります。
Arabica(アラビカ)
コーヒー好きなら一度は聞いたことがある「アラビカ」。
比較的標高の高い、涼しい地域での栽培に適していて、フィリピンではバギオを含むコルディリェラ地方や、サガダなどでも栽培されています。
一般的に、香りが豊かで、酸味や甘みなど複雑な風味を楽しみやすいのが特徴です。
Robusta(ロブスタ)
名前の通り、比較的丈夫で、低地や暖かい地域でも栽培しやすい品種。
フィリピンでは4種類の中でも生産量が多く、インスタントコーヒーやブレンドなどにも使われています。
Liberica(リベリカ)
そして、フィリピンコーヒーを語るうえで外せないのがリベリカ。
フィリピンでは**「Kapeng Barako(カペン・バラコ)」**として知られています。
大きな実と豆が特徴で、しっかりとした味わいと独特の香りを持っています。
主にバタンガスやカビテなどで栽培されています。
Excelsa(エクセルサ)
エクセルサもフィリピンで栽培されているコーヒーのひとつ。
フルボディで、フルーティーさや酸味、濃厚さなどを感じられる個性的な味わいが特徴とされています。
単独で楽しむだけでなく、ブレンドに加えることで味わいに複雑さを出すためにも使われています。
フィリピンを代表する「Kapeng Barako」とは?
「フィリピンならではのコーヒーを飲んでみたい!」
そんな方にぜひ知ってほしいのが、Kapeng Barako(カペン・バラコ)です。
カペン・バラコは、リベリカ種のコーヒーとして知られています。
特にバタンガスやカビテで栽培されており、一般的なアラビカとは少し違った、力強い風味と独特の香りを楽しめます。
フィリピンでは昔から親しまれてきたコーヒーで、今でも「フィリピンらしいコーヒー」として知られています。
日本ではなかなか出会う機会の少ないコーヒーだからこそ、フィリピンを訪れた際には試してみたい一杯です。
コーヒー好きなら、
「フィリピンに行ったら、カペン・バラコを飲んでみる」
というのも、ちょっとした旅の楽しみになりそうですね。
コーヒーの産地はどこ?フィリピン各地で作られるコーヒー
フィリピンのコーヒーは、一部の地域だけで作られているわけではありません。
ルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島など、フィリピン各地でコーヒーが栽培されています。
特に近年の生産量を見ると、ミンダナオ島の地域が主要なコーヒー生産地となっています。
2020年のフィリピン農業省の資料では、SOCCSKSARGEN、ダバオ地方、BARMMの3地域だけで、フィリピン全体のコーヒー生産量の約70.87%を占めています。
一方で、北部ルソンにあるコルディリェラ地方も、アラビカコーヒーの産地として知られています。
つまり、同じ「フィリピンコーヒー」でも、育った地域や標高、品種によって違った個性を楽しめるということ。
コーヒー好きなら、産地に注目して飲み比べてみるのも面白そうです。
バギオ周辺でも作られる「山のコーヒー」
ここで、バギオ留学を考えている方にもぜひ知ってほしいのが、コルディリェラ地方のコーヒーです。
バギオが位置する北部ルソンの山岳地域では、アラビカコーヒーの栽培が行われています。
コルディリェラ地方は標高1,000〜1,800mほどの地域があり、アラビカの栽培に適した環境とされています。
また、バギオからもアクセスしやすい山岳地帯には、サガダやベンゲットなど、コーヒー産地として知られる場所があります。
実際にフィリピン農業省関連のコーヒーオークションでも、サガダやベンゲット産のアラビカがスペシャルティコーヒーとして扱われています。
バギオでカフェに入ったとき、
「このコーヒーはどこで作られた豆なんだろう?」
と産地を気にしてみると、今までとは違った楽しみ方ができるかもしれません。
広がるフィリピンのスペシャルティコーヒー
フィリピンのコーヒー文化は、昔ながらのコーヒーだけではありません。
近年は、「フィリピン産の豆をもっと知ってもらおう」という動きも広がっています。
生産地や農園、品種などに注目してコーヒーを楽しむ文化も少しずつ広がり、スペシャルティコーヒーとして評価されるフィリピン産コーヒーも登場しています。
また、フィリピン・コーヒー・ボードでは、コーヒー農家向けの研修やコーヒーショップ向けのセミナー、農園ツアー、コーヒーイベントなどを行い、フィリピンコーヒーの認知度や品質向上に取り組んでいます。
「安いコーヒー」というだけではなく、
どこで作られたのか?
どんな品種なのか?
どんな風味なのか?
というところまで楽しむ。
そんなコーヒー文化が、フィリピンでも少しずつ広がっているんです。
留学中に楽しみたい、フィリピンのコーヒー文化
フィリピン留学の魅力は、もちろん英語を勉強できること。
でも、海外で生活するからこそ、その国の文化や暮らしに触れられることも大きな魅力です。
例えば、授業が終わったあとにローカルカフェへ行ってみる。
フィリピン産のコーヒーを注文してみる。
「Where is this coffee from?」
と店員さんに聞いてみる。
そんな小さな体験も、英語を実際に使う機会になります。
そして、コーヒーをきっかけに現地の人と会話が生まれるかもしれません。
「コーヒーが好き」という自分の好きなことが、英語を使うきっかけになる。
これも、海外留学ならではの楽しみ方です。

フィリピン留学で「コーヒー」を楽しむという選択
フィリピンは、海やリゾートだけの国ではありません。
長いコーヒーの歴史があり、4種類ものコーヒーが生産され、地域ごとに異なるコーヒーを楽しむことができます。
そして現在では、ローカルカフェやスペシャルティコーヒーなど、新しいコーヒー文化も広がっています。
特にバギオ周辺では、山岳地域ならではのアラビカコーヒーにも出会うことができます。
前回の記事でご紹介したように、バギオには個性豊かなカフェも多く、「英語を勉強する場所」だけではない楽しみ方があります。
お気に入りのカフェを見つける。
フィリピン産のコーヒーを飲んでみる。
店員さんに英語でおすすめを聞いてみる。
そんな小さな経験を重ねながら、英語と一緒にフィリピンの文化も楽しんでみませんか?
「コーヒーが好きだからフィリピンへ行ってみる」
そんな留学のきっかけがあっても、きっと面白いはずです。
次にフィリピンでコーヒーを飲むときは、ぜひ「この豆はどこから来たんだろう?」と少しだけ産地にも注目してみてください。
いつもの一杯が、フィリピンという国を知るきっかけになるかもしれません。

